軟骨無形成症患者会情報交換会開催 バイオマリン社主催 9月20日開催
軟骨無形成症患者会情報交換会報告
1 日時 場所 : 2025年9月20日(土)10:00~11:30
ホテルニューオータニ
2 参加者 : 難波範行先生(鳥取大学医学部統合内科医学講座周産期・小児医学分野)
Prof.Ravi Savarirayan(Group Leader of Skeletal Biology at Murdoch Children’s Research Institute)
RDD Japan(特定非営利活動法人 ASrid)西村由希子
つくしの会 堀越敦 神垣映子 堀越晶子
つくしんぼの会 村上美弥子
3 患者会からのメッセージ
〇 つくしの会:神垣
・医療関係者とバイオマリン社に対するお礼(ボックシゾゴ開発製品化に関わって)
・つくしの会の歴史とこれまでの活動の紹介(指定難病や身体障害者手帳、教育への取り組み)
・これから取り組むべき課題について(合併症・結婚妊娠出産・患者と親の高齢化問題)
〇 つくしんぼの会:村上
・つくしんぼの会の活動について
・大薗恵一先生(医誠会国際総合病院)や小児科・整形外科等の先生方との連携について
・経験に基づいた治療についての説明
4 Ravi先生の講演
・オーストラリアで30年働いている。
・軟骨無形成症患者の課題は身長だけでなく、差別を無くすために法律を変えることも含めて考える必要がある。
・患者の声を聞いて医療をすることが大切である。関係者(サポートグループ)との共同が必要であり、2年に1度集まって話をしている。ハッピーな幸せを届けたい。
・国際社会との連携も考えると良い。
・サポートグループの役割…個人を支援し健康と幸福を促進する。
関連医療チームと連携し、最新の管理手法に関する情報を提供する。
社交・スポーツ行事に関する支援をする。
・協力の形態…医療諮問委員会・患者会における医療関連医療職の日・患者団体からの研究助成・学会等
5 RDD Japan(特定非営利活動法人 ASrid)西村由希子さんの講演
・ASrid…希少難治性疾患領域の、患者家族会・医療機関・政府機関・企業・大学・福祉等の中間機関として活動している。
・RDD Japan…2010年から社会啓発イベントを開催している。世界の参考にもなっている。
イベントの主催者:患者会、難病連、患者支援団体、病院、中学高校、大学医学部等
RDD Japanコミュニティ:主催者、協賛組織、参加者、後援組織
RDD Japanの考え方:RDD Japanコミュニティから生まれる物を信じ、ゆっくり丁寧に続け、皆さんと一緒の場を楽しむ。
大切な事:様々なコミュニティ(疾患ごと・地域ごと・課題ごと)の創造
関連機関との連携
6 デスカッション
(1)軟骨無形成症患者のQOL向上に向けて
〇 新薬に対する期待が大きい
・バイオマリン社のボックスゾゴやその他の薬の開発も進んでいる。
・ボックスゾゴは身長だけでなくプロポーションも良くなり、合併症も良くなっている。
〇 その他の課題
・加齢が早く、睡眠時無呼吸症候群も見られる。(医療課題)
・骨延長術は大変であり、負担も大きい。(医療課題)
・学校生活ではいじめ問題や施設設備問題がある。(教育・社会課題)
・知的障害を併せ持つ事例が見られる。(医療・教育課題)
・身体障害者手帳の取得が難しい。(行政課題)
(2)患者会が社会的認知と発信力を備えた持続可能な存在となるために
〇 患者会の在り方を見直す必要がある。
・希少疾患や一人一人の患者を中心に据えて、医療や支援団体と連携していくことが大切である。
・患者会が学会を主催し、医師がゲストとして参加するという方法もある。
・患者団体が医師に研究費を支援している場合もある。(1型糖尿病)
・学会の中に患者団体が入っている場合もある。
・医師との連携には課題もあるが、患者側から要望することが大切である。
7 バイオマリンより閉会の謝辞
つくしの会、つくしんぼの会による患者さんの実情や複雑な思いの共有
オーストラリアの患者会への関心と共有・意見交換の意義
Asrid・RDD Japanの包括的な活動と積極的・戦略的な情報発信
患者会の役割についての国内外の状況を含めた意見交換
などに関して積極的で意義深い会が行われたことへの感謝が伝えられた
【記事 中国支部長 神垣映子】

